2013.08.16 Friday
産膜酵母と乳酸菌の関係について
皆様が使用中の乳酸菌液の表面に、湯葉のような幕が張ってくることは
ご承知だと思います。
この膜状のものは、産膜酵母と言って酵母の一種です。
下の写真は、(株)環協開庸研究所の培養タンクの乳酸菌液表面の
産膜酵母です。これはかなり厚めの幕を常時維持するようにして
いますので、あくまで参考程度にみて下さい。
環境によってそれぞれ違いは出ますから、同じ状態にはならないかも
しれませんが、ともかく時間と共に産膜酵母は増殖していきます。
この産膜酵母について、検証をしたところ、わかったことがありましたので
情報の共有を致したいと思います。
乳酸菌液の中には、好気性の微生物と嫌気性の微生物が混在しています。
勿論乳酸菌にも、好気性のものと嫌気性のものとが存在します。
表面が何もない状態の時には、好気性の乳酸菌を含む微生物たちには、
好条件なので増殖しますが、嫌気性の乳酸菌を含む微生物たちは、
増殖が出来なくなってしまいます。
そのためかどうかはわかりませんが、表面に産膜酵母が発生することにより
空気と遮断し、嫌気性菌の増殖を活発にします。
その結果、産膜酵母の膜が発生する状態になると、全体の乳酸菌の数が増え
醗酵状態が活発になってきます。(実証で確認済みです。)
ですから、産膜酵母が発生するまでは、ほったらかしで大丈夫です。
産膜酵母が湯葉状になってきたら、その状態になった時に撹拌(振り混ぜる)
すると良いです。
産膜酵母は、混ぜ込んでしまっても問題はありません。
でも、気分的に嫌だなぁと思われる方は、まとめて取り除いてしまっても
構いません。
また醗酵が進んでいくと、産膜酵母は発生してきますので、そのまま
混ぜ込んでも、取り除いてもどちらでも良いです。
要は産膜酵母が発生するほど、乳酸菌液が元気になるという事です。
しかし、空気と触れた状態でないと、産膜酵母は発生しません。
という事は、乳酸菌液を保存する場合には、液面の上に空気が入る
隙間は、確保しておいてください。
以上実証検証からわかったことをお知らせしました。
拡大培養にも同じことがいえるので、参考にしてください。
では今朝はこの辺で終わります。
本日も訪問していただき、ありがとうございました。